「先輩の他に好きな人できそうにないの?」


遥奈が俺に言う。


「できるわけないじゃん。遥奈はやっぱり尚弥か?」


「うん///」


照れいる遥奈を見てわかるように、遥奈は尚弥が好き。


「そっか…。あー、俺、先輩不足…。」


机に顔を伏せる。



「泣かないの。」


よしよし、と頭を撫でて慰めてくれた。



「陸、犬みたーい。って、心先輩!?」


えっ!

俺は遥奈の声で、バッと顔を上げた。

すると先輩の走っている後ろ姿が見えた。


「先輩だ…。どっか行っちゃったよ。」


「陸!好きなら追いかけなさいっ!」


「……おうっ!!!サンキュー遥奈!」



俺は走りだす。


先輩っ――――!!