「っ‥えぐっ‥うあーん‥‥」

「泣かないの‥ほら、愛。ちゃんとお別れして?」


今日。

あたしは家に帰る。


こーたと離れちゃう。


「愛ちゃん、元気でね!」


おばあちゃんの横に立って、笑顔で言う。


「っ‥ヤダヤダ!ままぁー!私まだここに居るぅー‥!」

お母さんの手を引っ張って、私はじたばたする。


「ワガママ言わないの。」


だって‥だって‥‥

こーたと居ると楽しかったんだもん!

またこーたと遊びたいもん!


ぐずぐずするあたしを見て、こーたが私に近付いてきた。


「約束だよ!おっきくなったら、また遊ぼ!」

ニコッて笑って、小指を出した。


‥‥。


「やっ‥やくそくぅ?」

「うん!約束したら、不思議とその願いは叶うって、ママが言ってた!だから、指切り!」


あたしは小指をこーたの指に絡ませた。


ゆーびきーりげーんまーん‥うーそつーいたーら、はーりせーんぼーんのーます‥‥


「約束だよ‥!」

「うん!」


お母さんが私を引っ張る。

引っ張られながらも、後ろを振り向いてこーたを見つめる。


「ばぁーいばーい‥!」

こーたはずっと、見えなくなるまで手を振ってくれていた。


約束だよ、こーた。

絶対また遊ぼうね。

ばいばい。

ばいばいこーた。





一一一一一一一一‥



‥思い出した。

こーた‥?

この私の横にいる、でかい男の子がこーた‥?