見たことがない。天井があった。起き上がると知らない物ばかり。
「起きたか?飯食えるか?」
優しく言った。見たことがない人。
「食べれます。あの一緒にいた男の人知りません?」
拓の事しか頭になかった。
「あ~病院にいるよ。今日退院らしいよ。自分の事心配した方が良いよ。」
きつく言われた気がする。なんで?
「私、なにかしましたか?」
心配そうに男性の目を見た。
「熱合ったんだよ。40度。」
「熱?40度?」
ふと見ると自分の知らない服だった。まさか…。
「もしかしたら…。」男性は顔が赤かった。そして下を向いている。
「ごめん。汗すごくて…。服だけだから。」
一気にブルーの気持ちになった。
「これ、食べて機嫌直して!!」
出てきたのはスパゲティだった。おいしいそう。
「いただきます。」
笑いながらホークを取りスパゲティに刺した。男性は何か話すらしく…。
「親とかどうしたの?」
下を向いたまま言った。暗い空気になった。
「知りません。ただ、気付いた時にはいませんでした。」
ホークを置いて、今にも涙が出てきそうになる。強く、強く拳に力を入れた。
「変な事聞いてごめん。ご飯食べよう。あんたの彼氏格好いいな。」
笑いながら言った。彼氏ではないけど