「全然、わかんない。

強いていえば、
二年前より、大人っぽい
音になってる気がする。」

と、言いやがった。

えれー、上から目線じゃ
ないか?

しかし

・・・まあ、実は、
他の講師仲間からも
いわれた事がある。

コイツ、侮れねぇ。

「んじゃ、お邪魔しました。」
 
ガラスの向こうに、
扉の解放を待つ数人の
姿を見つけて、彼女は笑みを
浮かべていった。

彼女と入れ替えに
入ってくる生徒が
不思議そうに俺をみる。

「先生?・・・顔真っ赤だぜ。
あれ、透さん所の
ボーカルだよね?」 

・・・なんだよ。

結構、面割れてんじゃん。
こんな高校生にまで
知られてんだな。

「透って、狩野先生ん
ところのか?」

ああっ!俺の天敵かっ?!

「そうっ!一番年下の人。
去年、仲良くなってさっ♪
アソコ、かっちょいいよなぁ♪
めっさ、うめぇし。」

「練習すりゃ
追い付くんぢゃねぇ?」

「おーよ。目的があっからな!
追い付いてやる!」

とは、熱いのはいいが、
アイツらのキャリアは
相当だぞ?