若干、着崩れた服を
軽く直して
滑稽なほど
新品の輝きを保つ靴を履き、
家をでた。


いつぞや・・・じゃないけど
ひっつかまえてやる。


って・・・ 
思って・・・

かといって、


人目に曝され続けて
彼女を待ちつづける根性が
俺にあるわけもなく


ホントに
初夏に待ち伏せた様に
車中で、かれこれ小一時間
待っている状況だ。

なかなか真月は
でてくる気配もなくて


「何してんだよ。アイツ。」


さすがに飽きて来た。


バックミラーで
玄関口を見ながら
あの日の事を考えていた。

彼女が、目撃してしまった
ソノ時の事を。


俺の人生の中でも
最悪の日の事を。