『バーカ。あったま使えよ。
んなもん、俺がホテル
押さえてんだぜ?

ダブルしか空いてないって
事にしてあるよ。

言い訳なんざ
いくらでもあんじゃーん♪』

ブレザーに輝いている
金色のバッチが
何とも胡散臭い。


『・・・悪徳弁護士。』

周りに聞こえない様配慮して、
ボソッと呟く。

『無報酬でやってんだぞ。
ありがたく感謝して
この機会を無駄にすんなよ。』

透は言い残して
走り去っていった。

 
前に飲みにいった時に
何で、オマエは真月の為に
そこまで出来んの?って
透に聞いた。


『お互いにとって
恋人以上に大事だから。』


真月も似たような事を
いっていた。

『俺達が、
音楽をやり続ける為にも、
アンタには、
頑張ってもらわなきゃ
困るんだ。』

そう、奴は言った。


透に返す
義理なんてないけど

何なら、いつも
おちょくられてるのは
俺の方だし。

だけど

今回だけは
利害が一致した。


絶対

真月を、引き止める。