髪を強く摩擦しないように、優しくタオルの間に髪を挟む。



「せっかく髪綺麗なのに、傷んだらもったいない。」


こんなに綺麗なのに、もったいないよ。
本当。


こんなに細くて、サラサラで……
やべぇ。
なんか恥ずかしくなってきた。
もしかして俺、すっげーおせっかいですっげー恥ずかしいことしてるんじゃねぇか?

彼女が俺の顔を覗き見ていることに気付いた。







だから俺はこれでもかってくらい平静を装った。
至って真剣です、みたいな顔をして。
ちゃんとできてたのかはわからないけど。