視線を少し上げてまっすぐに前を見つめる。
ゆらゆら蜃気楼が揺れてて、なんだか夏だなぁなんて。
そんなことを思った。



視界の隅にはソータがいる。



髪、自然乾燥で早く乾いちゃえばいいのに。



「タオル持ってる?」



「……持ってる。」



「貸して?」



口の端を上げながら手を差し出すソータ。
なんなの、タオルって。



鞄の中からタオルを取り出してソータに渡す。