顔も見ずに短くそう答える。 この人、同じ東校生なんだよね…? 「何年生?」 しまった。 名前を先に聞くんだった。 「二年の一条奏太。」 ソータ? 聞いたことあるような、ないような。 ていうか。 「あたしも二年。」 目線を下に落としたまま、そう呟く。 ソータに話し掛けるというより、独り言みたいに。 「一緒なんだ、知らなかった。」 隣でソータが笑った気がした。