ゆっくりと男の子の方へ顔を向けると、ばっちりと目が合ってしまった。




「髪、濡れてるよ?」



うわ。
見知らぬ人に見られちゃった。
変な奴って思われてるんだろうなぁ。
はぁー…



指摘に対して返事をしない私をまた、じっと見つめると男の子が続けて口を開いた。



「東高の人?」



……え、何で知ってるんだろう。



男の子に対して少し警戒心を抱いて、声には出さず短く頷いた。