「奏太(そうた)、いいお天気だから散歩でもしてらっしゃい。」



リビングにいる俺に向かって庭の花に水をやりながら母さんは顔だけをこっちに向けた。



俺は断じて引きこもりじゃない。
断じて。



性格も根暗じゃないし、むしろ明るい方だと思う。
だから余計に母さんは戸惑ってるらしい。



最初は学校に行け、とうるさかったが最近はあまりそう言わなくなった。
俺が鬱にでもなったんじゃないかと父さんに話してるのを聞いたことがある。