小さい頃、あたしはお姫様になりたかった。



綺麗なドレスを着て、無駄に長い食卓の上で食事をして、木々に囲まれた大きいお城で、素敵な王子様と一緒に暮らすんだって。



人一倍夢見がちな少女だったあたしは。
将来自分はそんな素敵な未来を……
夢のような日々を過ごすんだと信じて疑わなかった。



どうしようもないほどしょぼい現実を目の前に叩きつけられたのは小学二年生のとき。


パパとママが離婚した、あのとき。