あずみと二人きりの空間から抜け出したくて適当なことを言って部室を出る。



息苦しい。




こんなときに俺を癒してくれるのは。



「冬弥、今大丈夫?」




繋がった電話の向こうに話し掛ける。



『大丈夫だよ。』




この声が。
この声だけが俺を癒してくれる。
身も心も。



愛しい愛しい冬弥の声。




さっきまで一緒にいたはずなのに。
もう恋しくなる。
あの肌に触れたくなる。
冬弥はもう家にいるのだろうか。