テレビに目を向けてはいるけど、心ここにあらず。 そんな風に見える。 麻里に話しかけようとした、そのとき。 「携帯、鳴ってるよ?」 俺の勉強机の上で携帯が震えた。 「あぁ。」 携帯を手にとり部屋を出る。 「はい。」 『冬弥(とうや)、今大丈夫?』 受話器からは愛しい声。 「大丈夫だよ。」 今さっき学校で会ったばかりなのに。 放課後愛し合ったばかりなのに。