そうくるか。

くると思ったけど。

あたしはあきらめて、鈴木のイカリに燃える瞳をじっと見た。

顔が一気に恐ろしくゆがむ。

「大人しく言うこと訊きゃあいいんだよっ!!」

眉間にくっきり割れた縦じわを見ていたら、パンチが飛んできた。

思わず、腕でガードして、目を閉じる。

と、誰かに肩を引かれた。

来るはずの衝撃がなく、ガードをはずすと、自分が透夜の腕にかばわれているのが見えた。

右手で、鈴木の腕をつかんで、左腕に、あたしを抱きかかえている。