「伽羅、追い返そうと思ったんだけど、どうしても顔を見せろってうるさいんだけど。透
夜くんと唯一くん、入ってもらっていい?」

時計を見ると、夕方になっていた。

学校が終わったらしい。

あたしの熱も下がってるみたい。

「普通、嫌がるところなんだけど、まあ、いいわ。あの二人なら。今更何かっこつけたって仕方ないもんね」

「そう、じゃあ、入っていいわよ」

すぐ後ろに潜んでいたらしい、二人が顔を出す。

「50センチ以内に近寄らないこと。あと、5分したら追い出しにくるから」

母上はそういうと、消えた。

「あのさ、ごめん伽羅」

唯一はそれだけ言うと、ドアの向こうに消えた。

代わりに、透夜だけ入ってくる。ベットの傍に、ぎりぎり50センチのところまで近づいて、

「オレもごめん。伽羅」

何か、二人に謝られること、されたっけ?

思って。唯一が今朝言ったことを思い出した。