「だいたい、お前まで、適当にモノを運ぼうとすんなって。伽羅がかわいそうだ」

と、唯一は、本当に、あたしのことを気の毒がっている顔をする。

こういうところが、透夜と違うところだ。

「いちいち気の利くことが出来るくせに、どうして、そういうところ、鈍いかな。伽羅はお前が好きなんだぞ」

「唯一っ!!」

「ただ好きなんじゃないぞ。そんなんだったら、オレのことだって好きだって簡単に言う
からな。そうじゃなくて、伽羅は透夜に惚れてるんだ。わかったか!?」

ああ、。頭がくらくらする。

急激に熱が上がった気がする。

「あたし、もう一日、休む」

あたしは回れ右をして、家に入り、ドアを閉めた。

さっきまで回復していたはずだったのに、39度あった。