「だよな」

言って、ニッコリ笑う。

このヤロ~

かわいい顔して、ヒトの心中かき乱して~

けど、怒るに怒れない。

何だかんだ言って、心配してくれているのだ。

あたしは、本気で熱を出した。

二日後にやっと蘇り、登校しようとドアを開けると、目の前に、透夜がいた。

あたしを認めると、少し、驚いた。

隣には唯一もいて、こっちを覗き込んでいる。

「治ったんだ」

「治ったんだ」

二人は同時に言った。

それから、透夜が、

「痩せたな」

「そうかも。二日くらいはほとんど何にも食べられなかったから」

「もう、大丈夫なのか?」

「うん」

と、透夜はニッコリ笑った。

透夜って、キレイに笑う。

見とれていると、

「じゃ、行こ?」

唯一がぽつんと言った。

チラリとそっちを見ると、

「唯一、伽羅がいない間、ずっと元気なかったんだ。思うに、伽羅は唯一の栄養源なんだ」

「栄養源って。寄生されてるみたいだな」

と、透夜はすっあたしに近づいて、

「唯一を自立させないと、伽羅は誰とも付き合えないかもな」

それから、じっとあたしの目をのぞきこんで、

「それか、いっそ、唯一と付き合っちゃうか」

「なに朝から見つめ合ってんだ」

唯一が割ってはいる。