ボンヤリと帰っていると、透夜が追いついてきた。

「元気ないけど」

そうかもしれない。

「風邪、ひいたかな」

自分で言って、本当にそうかもしれないって気がついた。

体がだるい。

「だったら、唯一の着させた衣装のせいだな。あのバカ」

「どうだろ。あのあとすぐに、透夜の服、借りたから」

暖かかった。

そのせいじゃないと思う。

「じゃあ、食べなくて、免疫力落ちてる?」

「そうかも」

「そうか。どうしたら、元気になってくれるんだろうな」

透夜は空を仰いだ。

青い綺麗な空がある。

「オレが、美奈の方、見なければ、いい?」

あたしの心臓は止まりそうになった。