肝心の”オレ”に相手にされてないもんな。
あたしは、そっとため息をつく。
こんなに仲良しで、いつも一緒にいられるんだから、他に望みはないんだけれど。
「伽羅って、最近、小食になってるな」
「え?」
「弁当箱が、小さくなった。というか、どんどん小さくなっている」
それは、仕方ない。
透夜が傍で食べてると思うと、だんだん食欲がなくなってきたのだ。
ずっと昔から、透夜のことは好きだったけど、このごろはどうもおかしい。
自分でも、かなり脳みそが侵されてきてるのが分かる。
でも、どうしようもない。
どうする気もない。
ただ、食欲がなくなっていく。