「いや、そういうことぢゃなくて」

透夜が慌てて否定する。

「本当にそういうんじゃないんだよ。

透夜は風紀委員みたいなだけなんだよ。

あたしのライブ用の格好を見たらいつもウルサく言うんだから」

実はあたしは唯一に引っ張り込まれて、バンドのボーカルをやっている。

そのときのスタイリストは唯一なので、少々過激な格好になる。

そのギャップが楽しくて、普段は真逆な感じの格好をしているんだけれど。

「そういうおせっかいが、透夜の本音だって、わからないかなあ」

「何言ってんの。透夜は優しいから、いろいろ心配してくれるんだよ」

そんなことも、唯一にはわからないのか。