どうやら、刀が喋るという奇異な出来事は、靉苒にとって、普通のことのようだ。




「お主・・・・・・。

相変わらず、抜けとるのぉ・・・・・・。

ここには、儂とお主しかおらんと言うのに。

他人事ながら、心配になってくるわい!」




「大きなお世話ですっ!

だいたい、連れ出せって、どうゆうことですか?

あたしは、嫌です!

また、あたしばっかり、宮司様に怒られるんだから!」




 靉苒は、そう言うと、刀を無視するかのように、そっぽを向いた。