「そうじゃ!儂じゃ!

やっと気付きおったか!

儂を連れて、早く、ここから出るのじゃ!

寔禮(コレノリ)に気付かれると、うるさいからな!」




 靉苒は、キョトンとして、刀を見詰めている。




 そして、大きく息を吐いた。




「なぁんだ!

お爺ちゃんだったの!

あたしは、また、幽霊でも出たのかと思って、ビックリしたじゃない!」




 靉苒は、あからさまにホッとした様子を見せた。