「何っ!?まさか、幽霊!?

嫌よ、そんなの!

あたしに取り憑いても、いいことないよ!

だって、あたし、しょっちゅう、叱られてるし!

あっ!

でも、取り憑かれたら、叱られても気にならないかも知れないから、ありかも知れない!」




 靉苒は、早口で、誰かにまくし立てた。




 そして、キョロキョロと、辺りを見回す。




 しかし、やはり誰もいない。




 靉苒が、自分の今の様子を、我ながら滑稽に思った時だった。