…捨て猫?

箱には何も書いてなかった。



「ねぇ?」

「あれ、お前のお家?」

「ニャ~」

「お母さんは?いないの?」

「……」

「アタシもお父さんとお母さんとはお別れしちゃったんだ…」

「ニャ~」

「でもね、おじいちゃんやおばあちゃん、絵里っていう友達もいるから寂しくないよ。それに…」

「ニャ~」

そこまで言いかけると、涙が溢れ出した。



…苦しい…。

「ハァ……ハァ……」

なんでこんなに苦しくなるの?



みんな…

アタシのせい…なんだ…。