「オウパーツ」

三つの乙女ケースが光のカーテンを放つのを止めると、持ち主に戻っていた。

ダイヤモンドの乙女ケースを握り締めながら、高坂は箱の中身に絶句していた。

さやかも震えていた。

「オウパーツをつければ、体の一部を零からでも復元ことが可能だ。」

ジャスティンは箱の中の足の形をした防具を見つめた。

「なぜならば…ばらばらになったオウパーツを一つに戻す為には、宿主は五体満足でいなければならないからだ」

九鬼は、ジャスティンの言葉の意味をすべてを理解していなかったが…そんなことが止める理由にならなかった。 再び戦えるならば…。九鬼は、手を伸ばした。

「しかし…気をつけてほしい。オウパーツをつけたものは、邪悪な思念に侵される。それを阻止できるのは、闇を払う心を持つ者だけだ。カレンから、君の話は聞いていた。君ならば、オウパーツの思念に勝ってるはずだ」

そして、木箱の中に九鬼の指が触れた。

「了解しました」

九鬼は頷くと、オウパーツを箱から取り出した。

生身で、防具を触った瞬間から…九鬼の新たな戦いが始まったのだ。