「またね!みんな…ありがとう」

九鬼は、みんなが去って行く方に頭を下げた。

「感動してる場合じゃないわよ」

砂埃が晴れていく中、姿を見せた真由を見つめながら、理沙は戦慄を覚えていた。

先程の乙女ソルジャーの怒涛の攻撃は、まったく真由にダメージを与えていないが…怒りに火を注いでいた。

「き、貴様ら!」

血管が額に浮き出た真由に向かって、理沙は黄金の乙女ケースを突きだした。

「ここからが、本番よ!」

「ああ」

九鬼は拳を握り締めた。

力が溢れてくる。

「装着!」

「いくぞ!」

黄金の光が理沙を包み、九鬼の黒いボディーの色が変わっていく。

「雑魚がどうしょうが!雑魚だ!」

真由は睨みながら、叫んだ。


「己の体で、確認してみろ!」

乙女シルバーに変わった九鬼が、真由を睨み返した。

「月の力を見せて上げる」

乙女ゴールドになった理沙が、九鬼の横に立つ。

「いくわよ!」

そして、2人は同時に走り出した。