「し、しまった!」

電流を浴びた為に、バランスを崩した理沙は簡単に渦に巻き込まれて、上空に巻き上げられた。

「貴様のような旧世代の女神とは、格が違うわ」

翼を広げて飛び上がると、竜巻の流れに沿って回転する理沙の体に飛び付いた。

その瞬間、竜巻の流れが変わった。

逆方向にドリルのように回転し、上から下へ流れていく。

「終わりだ!」

体の自由を奪われながら、脳天から地面に激突した理沙。

声を上げる暇もなく、地面に突き刺さると、変身が解け…そのまま地面に倒れた。

「ガルル!」

興奮状態になった輝が、後ろから襲いかかるが、裏拳で迎撃された。

「く、くそ!」

地面に倒れた瞬間、輝は涙を流した。

「どうして!こんなことをするんだ!」

「うん?」

突然、凄まじい魔力を感じて振り向いた真由の目に、白髪になった輝が突進してくる姿が見えた。

「うおおっ!」

狼のような咆哮を上げると、輝の右手が輝き、光の塊になる。そして、悠然と立つ真由の胸元に、爪を立てて右手を叩き込んだ。

「なるほど…これが、お前の真の力か」

輝の右手の指は、真由の硬化した皮膚に突き刺さっていた。

真由はにやっと笑うと、

「惜しかったな。あたしが硬化する前ならば、倒せたかもしれないな」

輝の右腕を取った。

「高木…さん」

輝は、真由の瞳を覗いた。

(やっぱり…泣いている。本当は)

輝が悲しく微笑んだ瞬間、全身を電流が走った。

「犬上!」

打田が叫んだ。

(ああ〜)

輝は黒焦げになりながらも、心の中で願った。

(誰か…彼女を助けて上げて)

ゆっくりと膝から崩れ落ちていく輝に向かって、真由は左手を向けた。

「止めだ」

雷撃が放たれる瞬間、森の中から何かが飛んできた。

「うん?」

横目で、それを確認した時には、もう遅かった。

真由の肩に当たった瞬間、大爆発を起こした。


「行くぞ!」

森の中から、4人の影が飛び出してきた。

「どうなっても、知りませんからね」

木の影に隠れながら、バズーカを向けていた女は、ピンクの乙女スーツを身に付けていた。