「あ、あんたは!?」

着ている制服が,大月学園のものと気付いてほっと胸を撫で下ろした畳。

「俺達より、先に入った生徒がいたのか」

立ち上がり、少し安堵の表情を浮かべた畳の言葉を、現れた学生は聞いていなかった。

「…」

無言で、畳の向こうのジャングルの茂みを見つめていた。

「!」

その視線に気付いた畳が慌てて振り返ると、茂みの中から音を立てずに、誰かが出て来た。

「ヒイイイ!」

その姿を見た瞬間、畳は走り出した。

「やあ〜」

学生服の男は、幾多だった。

幾多は、現れた者に微笑んだ。

「ぎやあああ!」

程なくして、湖に断末魔の悲鳴がこだました。