「当然!魔法を使えない土地で、パニックを起こした校長の部隊は、全滅!」

舞はお手上げと、両手を上げた。

「生態系が変わっていたんだ」

高坂は、当時を思い出し、

「島の入り口にある宿泊施設の周りは、別の結界が張られているから安全だった。奥にいくほど…見たことのない魔物がいた。俺とさやかが戦いに来た訳でなかったから、気配を消しながら島中を隈無く探した」

高坂の目がスゥと細くなり、遠い過去を思い出す。

「施設から一番離れた島の奥で、魔物の巣を見つけた。その中で、生徒会長の引きちぎられた制服と、生徒会長のバッチを発見した」

高坂は再び、パソコンの前の椅子に座り、

「俺達が、捜索している間…あまり、魔物を見なかった。ジャングルのようになっていた島を迂回して、施設近くまで戻ったら…校長の部隊の死体が転がっていた。その時…知ったのさ。そいつらが派手に、銃とかを撃ったから、ほとんどの魔物が、やつらのところに集まっていたのだとな」

施設前まで来た高坂とさやかは、絶句した。

少年兵の死体に群がる魔物の数に、少なくても百は越えていた。

生存者を確認しょうとしたが、無駄だった。

全員死んでいた。

それに、施設の周りに張られた結界の向こうに行くだけでも命懸けだった。

全力で走り、施設の裏口にある結界の出入り口から中に入ると…そのまま、高坂とさやかは島から脱出した。


「そ、そんな島に行くんですか!」

怯えだす輝。

「あの時は…ほぼ丸腰だったからな。武器があれば…何とかなったかもしれない。それに、施設の周りは安全なはずだ」

対策を考え出す高坂に、

「はずって!」

全然安心できない輝。

「まあ〜勇者様を鍛える修練の場所だからね」

舞は、再びベッドの上に背中から倒れた。

「部長…。これが、参加メンバーです」

緑は、前田から預かった島に行く参加メンバーを見て、フッと笑いをもらした。

「成程な…」

そのメンバーだけで、高坂は納得した。

「すべて…カタをつけろということか」