「人が飛び降りただと!?」
特別校舎についた高坂に、突然…さやかから連絡が入った。
「…それは」
高坂の脳裏に、先程の少女の笑顔がよみがえる。唇を噛み締めた後、
「俺もそう思ったけど…そんな証拠はなかった…」
呟くように言った高坂に、カードの向こうのさやかがキレた。
「何言ってんのよ!今、飛び降りたの!遺体もまだ残っているわ!」
「馬鹿な!俺は、確かめたぞ!」
「早くしてよ!西校舎のグランド側よ。今、救急車を呼んだけど…一応、現場検証しておいてよ!警察が来る前に!」
「西校舎?」
高坂は眉を寄せた。
「これは、依頼よ!あたしからの!」
そう叫ぶと、さやかは通信を切った。
「西校舎だと!?」
高坂はカードをしまうと、考え込んだ。自分が、少女を見たのは、東校舎である。
「先輩?」
特別校舎の入口前で、足を止めていた輝が訊いてきた。
「すまない…輝。緑のところには、お前1人で行ってくれ。俺は、別の用ができた」
高坂は踵を返すと、来た道を引き返した。
「せ、先輩…」
輝は、遠ざかる高坂の背中に手を伸ばした。 これから、自分の身にふりかかる災難を予感しながら。
「ほぼ同時に、飛び降り自殺だと!あり得ん!」
高坂は一気に、中庭を突っ切った。現場に向けて、全力で走った。
「うん?」
保健室に着いた浩也は、扉を開ける前に、顔を上げた。
「血の匂い…。誰かが死んだ」
そして、振り返り…匂いがする西校舎の方を見ようとして、目の端が何かを捉えた。
「!?」
自分がいる東校舎の奥…グランド側に、1人の少女が立っていた。
(誰だ?)
浩也が立つ場所から一番離れている為に、はっきりとは表情がわからなかった。
能力を発動させれば見えるが、一般の生徒に見せる訳にはいかなかった。
そんなことを考えている内に、少女は消えた。
(笑っていた)
浩也は、少女が妖しく微笑んでいたことだけは確信していた。
特別校舎についた高坂に、突然…さやかから連絡が入った。
「…それは」
高坂の脳裏に、先程の少女の笑顔がよみがえる。唇を噛み締めた後、
「俺もそう思ったけど…そんな証拠はなかった…」
呟くように言った高坂に、カードの向こうのさやかがキレた。
「何言ってんのよ!今、飛び降りたの!遺体もまだ残っているわ!」
「馬鹿な!俺は、確かめたぞ!」
「早くしてよ!西校舎のグランド側よ。今、救急車を呼んだけど…一応、現場検証しておいてよ!警察が来る前に!」
「西校舎?」
高坂は眉を寄せた。
「これは、依頼よ!あたしからの!」
そう叫ぶと、さやかは通信を切った。
「西校舎だと!?」
高坂はカードをしまうと、考え込んだ。自分が、少女を見たのは、東校舎である。
「先輩?」
特別校舎の入口前で、足を止めていた輝が訊いてきた。
「すまない…輝。緑のところには、お前1人で行ってくれ。俺は、別の用ができた」
高坂は踵を返すと、来た道を引き返した。
「せ、先輩…」
輝は、遠ざかる高坂の背中に手を伸ばした。 これから、自分の身にふりかかる災難を予感しながら。
「ほぼ同時に、飛び降り自殺だと!あり得ん!」
高坂は一気に、中庭を突っ切った。現場に向けて、全力で走った。
「うん?」
保健室に着いた浩也は、扉を開ける前に、顔を上げた。
「血の匂い…。誰かが死んだ」
そして、振り返り…匂いがする西校舎の方を見ようとして、目の端が何かを捉えた。
「!?」
自分がいる東校舎の奥…グランド側に、1人の少女が立っていた。
(誰だ?)
浩也が立つ場所から一番離れている為に、はっきりとは表情がわからなかった。
能力を発動させれば見えるが、一般の生徒に見せる訳にはいかなかった。
そんなことを考えている内に、少女は消えた。
(笑っていた)
浩也は、少女が妖しく微笑んでいたことだけは確信していた。