(核は!?)

ティアナは、ライトニングソードを上段に振り上げた。

近付くことは不可能である。ライトニングソードより発生する電気を、振り下ろす衝撃波にのせて、放つしかない。

握り手からも、汗が流れ落ちていた。

しかし、もうすぐ汗も流れなくなる。

その前に、やるしかない。

「無駄ですよ!」

再び不動から、襲いかかった。

接近されるだけで、ティアナには危ない。

だけど、ティアナは逃げなかった。

(核は、どこにある!)

「無駄ですよ!もしわかったとしても、この体を切り裂けるものか!」

不動の言葉に、ティアナははっとした。

そして、次の瞬間、 ティアナはライトニングソードを振り落とした。

いや、その前に…。

「モード・チェンジ!」

ティアナの姿が消えた。

「!?」

不動の真後ろに現れたティアナが、ライトニングソードを振り落とした。

「き、貴様!?」

不動の拳は、ティアナがいなくなった空間を空振りした。

「な、何故…」

不動の背中が割れた。

「核の場所を…」

マグマでできていた体が脈打ち、流れ落ちた。そして、もとの炎の体に戻った。

炎の体も揺らぎ、人型も保てなくなっていた。

「お前は言った!あたしが斬れないと!だから、思った。核は、斬れない場所にあると!」

不動はそう言いながらも、ティアナを警戒していた。だからこそ、ティアナの持つライトニングソードが斬れる場所にはないと確信した。

腕と足にはない。もしもを考えて…強度を増した体であっても、傷をつけられる前面にはないと。

「お、恐ろしい…人間ですね…。いや、私には…」

不動産は振り返り、フッと笑った。

「人間には、見えませんよ」

その後、大笑いをすると、不動の体は消えた。

「また会いましょう!」

最後に、言葉を残して。