「重力波か…」

立ち上がったジャスティンは、クラークの向こうに広がる真っ平らになった空間を見つめた。

その空間は、砦まで続いていた。

「対魔神用の秘密兵器を使ってしまった」

クラークは、潰れた魔物達から魔力を回収する為に、歩き出した。

ジャスティンは、真っ平らになったジャングルの様子に目を細め、

「しかし…」

唇を噛み締めると、呟くように言った。

「通用しないな」

一歩前に出ると、地面に段ができていた。だけど、この技でも…ギラに通用しないと、ジャスティンは感じた。

そんなことを考えていたジャスティンに向かって、クラークはカードを投げた。

「お前も回収しろ」

冷たく言ったクラークの様子に、ジャスティンは自分と同じ感想を持っていることに気付いた。

「邪魔くさいな〜」

頭をかきながら、ジャスティンも魔力の回収に歩き出した。

目の前に、蜂の巣に似た砦が見えた。

(…でも、道は開いたな)


ジャスティンは砦に向かって真っ直ぐに立ち、 砦ではなく地面を見つめた。

(先輩は、どの辺りだろう)

そして、心の中で、ティアナのことを考えていた。