「!」

リンネを斬った瞬間、浩也は気が付いた。

自分の手に見知らぬ剣が、握られていることに。

「お母様!」

そして、フレアがいなくなっていることに。

「お母様!どこにいるの!」

浩也の目には、もうリンネは映っていない。

「まさか!さっきの攻撃で!」

だけど、辺りに攻撃により吹き飛んだ形跡はない。

「お母様!」

浩也は、走り出した。

フレアの姿を求めて、魔物の黒こげになった死骸が転がる森の中を。


走るのに邪魔だから、浩也はシャイニングソードを投げ捨てた。

シャイニングソードは、浩也の手から離れると二つに分離し、どこかに飛んで行ったが、その姿を様子を浩也は見ることはなかった。

「お母様!」

ただ森の中を、フレアを求めて走り続けた。