「予定通り」

尻から、蜂同様に針を出して、突っ込んできた。

ジャスティンは腰に手を回した。

そこに下げていたものを手に取ると、上空に向けて投げた。

それは、蜂に似た魔物達の間をすり抜けていった。

まったく誰にも当たらなかった為、蜂に似た魔物達はケラケラと笑った。

勢いが衰えることなく、ジャスティンに向かってくる魔物達。

「フン」

ジャスティンは、上を見ることはなかった。

「終わりだよ」

歩きだそうと、右足を少し浮かした時、先程投げたものが上空で旋回した。

そして、ジャスティンの頭上にいた魔物の大群を、次々に切り裂いた。

ジャスティンの右足が、前の土を踏むのと…投げたものが戻ってくるのは、同時だった。

ジャスティンはそれを、片手で掴んだ。

ジャスティンが投げたのは、ブーメランだった。

「俺の新兵器さ」

そう呟くように言うと、ジャングルの奥…砦に向かって歩き出した。

「フッ…」

ブーメランの攻撃が決まったことで、自己陶酔していたジャスティンは、しばらく歩いてはっとした。

「魔力の回収!」

振り返り、蜂に似た魔物の死骸のもとへ戻ろうとしたら、上空から新たな魔物が落下してきた。

「チッ!」

思わず身を捩り、背中を向けてしまったジャスティンは、慌てて横へと転がった。

「まあ〜いいっか」

ブーメランを構えながら、地面に降り立った魔物達を見て、ジャスティンは笑い、

「数は多いし」

地面を蹴り、魔物に向かって走り出した。

上空に向けては、ブーメランを投げつけた。




「クッ!」

空中で逃げながら、戦っていたクラークの目に、地上から放たれたブーメランの軌跡が映った。

「早速、使ってるな」

ジャスティンのブーメランは、クラークがあげたものだった。

「こっちも、反撃と行くかな」

クラークは逃げながら、ある場所を探していた。