「く!」

ティアナはライトニングソードで受け止めるのを、やめた。 力負けすることを悟ったティアナは、ライトニングソードを自分の真横の地面に突き刺すと同時に、前に飛んだ。

杭のようになったライトニングソードに、鎌が直撃した。折れることはなかったが、地面を切り裂きながら、 ライトニングソードは数十メートル先まで移動した。

「逃げることしかできぬのか!」

ライトニングソードをふっ飛ばした後、ポセイドンは鎌を切り返し、逃げたティアナを追う。

その風圧は、数百人の兵士と十字軍本部を切り裂いた程の威力がある。

「死ね!」

衝撃波が野を駆け巡り、遥か遠くにある木々を切り裂いた。

「先輩!」

ジャスティンが絶叫した。その瞬間、足が動いた。 突進しょうとしたジャスティンは、目を見開いて、足を止めた。

「虎穴に入らずんば…虎子を得ず」

「何!?」

ポセイドンは、驚きの声を上げた。

振り切った鎌の上に、ティアナが乗っていたのだ。

「貴様!?」

ポセイドンが鎌から振り落とそうとした瞬間、ティアナはジャンプした。

その手に回転する2つの物体が、飛んでくる。

「人間如きに!!」

ポセイドンは、歯を食い縛った。

片手でライトニングソードを掴んだティアナは、そのまま…草を刈るように、ポセイドンの首筋を向けて、剣を振り切った。

ティアナがポセイドンの後ろに着地した瞬間、高笑いが聞こえた。

「ハハハハハハハハ!」

楽しそうに笑うポセイドン。 ゆっくりと振り返ると、

「小蠅ではなかったな!蚊くらい…いや」

ティアナの方に体を向けた。

「ここは…素直に認めよう…」

ポセイドンの首筋から、鮮血が噴き出した。

「我の負けだ」

そして、傷口から電気がスパークすると、ポセイドンは両膝を地につけた。

「いや…」

ティアナは地面に着地した瞬間から、動けなくなっていた。