すべての魔力が使えなくなった為に、建物内に状況を伝えることもできなくなった。
アナウンスも流せない。 だから、本部内を兵士達が走り回り、水の騎士団の襲来を叫びながら伝えるしか方法がなかった。
「どうやら…魔神が攻めてきたようね」
本部の片隅にある研究室のドアが開き、1人の茶髪の女が白衣を翻しながら、中に入ってきた。
通路中がパニックになっており、走り回って状況を伝えている兵士の言葉もはっきりとは聞こえない。
だが、白衣を着た女には関係なかった。
ジェーン・アステカ。 今は偽名を使っているが、彼女こそが伝説のアステカ王国の女王だった。
超能力者である彼女は、人々の混乱する思念を読んだのだ。
「そっか〜」
ジェーンの言葉に、部屋の奥にいるラン・マックフィールドが返事した。
なぜか…彼の前にあるパソコンだけが、動いていた。
「敵さんは早いね」
呑気にキーボードを叩いているランの背中を見つめ、ジェーンは言った。
「あたしは、逃げるわね。どうやら…魔神の中に、神がいるみたいだから」
「それは…カイオウかい?それとも」
ランは、画面から目を離さない。
「ポセイドンよ」
ジェーンは肩をすくめた。
「だったら…全滅だな」
ランは、最後にキーボードをパンと叩いた。
「あいつは…手加減をしらない」
そして、にやりと笑うと、椅子を回し、ジェーンの顔を見た。
「流石の君も、分が悪いね」
その悪戯っぽい視線に、ジェーンはそっぽを向いた。
「まあ〜いいさ」
ランはまた椅子を回転させると、パソコンと向き合った。その瞬間、パソコンのシステムが終了し、画面が真っ暗になった。
「僕には…どうでもいいことだ。君もそうだろ?」
ランは、パソコンのキーボードの横に差し込んでいたカードを抜き取った。 そして、振り返ると、指に挟んだカードをジェーンに見せた。
「それに…これは、まだ君らが欲しがる程の性能はないし」
アナウンスも流せない。 だから、本部内を兵士達が走り回り、水の騎士団の襲来を叫びながら伝えるしか方法がなかった。
「どうやら…魔神が攻めてきたようね」
本部の片隅にある研究室のドアが開き、1人の茶髪の女が白衣を翻しながら、中に入ってきた。
通路中がパニックになっており、走り回って状況を伝えている兵士の言葉もはっきりとは聞こえない。
だが、白衣を着た女には関係なかった。
ジェーン・アステカ。 今は偽名を使っているが、彼女こそが伝説のアステカ王国の女王だった。
超能力者である彼女は、人々の混乱する思念を読んだのだ。
「そっか〜」
ジェーンの言葉に、部屋の奥にいるラン・マックフィールドが返事した。
なぜか…彼の前にあるパソコンだけが、動いていた。
「敵さんは早いね」
呑気にキーボードを叩いているランの背中を見つめ、ジェーンは言った。
「あたしは、逃げるわね。どうやら…魔神の中に、神がいるみたいだから」
「それは…カイオウかい?それとも」
ランは、画面から目を離さない。
「ポセイドンよ」
ジェーンは肩をすくめた。
「だったら…全滅だな」
ランは、最後にキーボードをパンと叩いた。
「あいつは…手加減をしらない」
そして、にやりと笑うと、椅子を回し、ジェーンの顔を見た。
「流石の君も、分が悪いね」
その悪戯っぽい視線に、ジェーンはそっぽを向いた。
「まあ〜いいさ」
ランはまた椅子を回転させると、パソコンと向き合った。その瞬間、パソコンのシステムが終了し、画面が真っ暗になった。
「僕には…どうでもいいことだ。君もそうだろ?」
ランは、パソコンのキーボードの横に差し込んでいたカードを抜き取った。 そして、振り返ると、指に挟んだカードをジェーンに見せた。
「それに…これは、まだ君らが欲しがる程の性能はないし」