「ソラです。女神ソラ」

カレンが告げた名前に、ジャスティンは絶句した。

「な、何!?」

足元の転がる魔物達の死体から離れると、ジャスティンは片眉を上げた。

「ば、馬鹿な…」

静寂が戻った魔界の草原に、風が吹き抜ける音だけがした。

その音に、ジャスティンは唇を噛み締めた。

「女神…ソラ。風の女神…ソラだと!?」

ジャスティンは、彼女を知っていた。

それは、遥か昔…。

まだ自分は十代だった頃。

ジャスティンは初めて、その名を告げられた。

今は亡き…愛しき人達に…。

カレンからの報告が終わった後、ジャスティンはその懐かしき頃を思い出していた。




天空のエトランゼ零章。

ホワイトナイツ編…幕開け。