もう話すのが、辛くなったようで…頷いた後、絵里はただ…笑顔だけを向けていた。

あの頃の笑顔。

それが、絵里の最後の演技だったかもしれない。


「気をつけて」

震える唇で、言葉にならない声を出すと…絵里は息を引き取った。





「赤星」

ピアスからのアルテミアの声に頷くと、僕は絵里の遺体に向けて、手のひらを広げた。

すると、遺体は燃え上がり…一瞬で灰となった。

その灰が風に乗って、すべてなくなるまで…僕は見つめていた。

「その女神を探すぞ」

「うん」

アルテミアの言葉に、僕は頷いた。


その女神の正体が…自分の妹であることを知らずに。