「は!そうだわ!」
カレンの声に、緑ははっとした。
「輝は…どうなったのかしら!」
緑も横を見た。
屋上の一番奥では、情報倶楽部の犬上輝と、浩也の戦いが繰り広げられているはずだったが……。
「え…」
緑は、唖然とした。
「あう〜ん!」
甘えた声を出して、浩也の足にスリスリしている輝がいた。
「犬って…人間に似てるんだね」
笑顔を浮かべながら、カレンを見た浩也に、
「違う…。そいつは、犬じゃない。た、多分…人間」
カレンは否定したが、半分どうでもよくなってきた。
輝は浩也から離れると、仰向けになり、お腹を見せた。
「よしよし」
お腹を撫でてやる浩也。
「あの馬鹿!」
緑は痺れが取れた手で、木刀を拾い上げた。
「敵わない相手と思ったら…すぐに服従するんだから」
トランス状態になると、野生動物の能力を使えるという特殊能力を持つ輝は、この状態の時は、人としての理性を失っている。
変幻した瞬間、浩也の本質を知った輝は…恐怖を通り越して、本能で服従を決めたのだ。
「何してるのよ!この役立たず!もういいわ!もとに、戻りなさい」
緑が木刀を振り上げた瞬間、輝は緑の足首に噛みついた。
「何するのよ!この駄犬!」
「噛んでは駄目だよ。ラッキー」
勝手に名前をつけた浩也が、噛みついた輝を離そうと足を掴んだ。
「何だ…。この状況は」
カレンは、こめみに指を当てた。
乙女グレーの襲撃。そしてら乙女ブラックになれる男。
学園に何かが起こっているのに、こんな茶番劇に付き合ってる場合ではない。
屋上を囲む網にもたれた瞬間、カレンは真下に人がいることに気づいた。
「あれは?」
カレンの声に、緑ははっとした。
「輝は…どうなったのかしら!」
緑も横を見た。
屋上の一番奥では、情報倶楽部の犬上輝と、浩也の戦いが繰り広げられているはずだったが……。
「え…」
緑は、唖然とした。
「あう〜ん!」
甘えた声を出して、浩也の足にスリスリしている輝がいた。
「犬って…人間に似てるんだね」
笑顔を浮かべながら、カレンを見た浩也に、
「違う…。そいつは、犬じゃない。た、多分…人間」
カレンは否定したが、半分どうでもよくなってきた。
輝は浩也から離れると、仰向けになり、お腹を見せた。
「よしよし」
お腹を撫でてやる浩也。
「あの馬鹿!」
緑は痺れが取れた手で、木刀を拾い上げた。
「敵わない相手と思ったら…すぐに服従するんだから」
トランス状態になると、野生動物の能力を使えるという特殊能力を持つ輝は、この状態の時は、人としての理性を失っている。
変幻した瞬間、浩也の本質を知った輝は…恐怖を通り越して、本能で服従を決めたのだ。
「何してるのよ!この役立たず!もういいわ!もとに、戻りなさい」
緑が木刀を振り上げた瞬間、輝は緑の足首に噛みついた。
「何するのよ!この駄犬!」
「噛んでは駄目だよ。ラッキー」
勝手に名前をつけた浩也が、噛みついた輝を離そうと足を掴んだ。
「何だ…。この状況は」
カレンは、こめみに指を当てた。
乙女グレーの襲撃。そしてら乙女ブラックになれる男。
学園に何かが起こっているのに、こんな茶番劇に付き合ってる場合ではない。
屋上を囲む網にもたれた瞬間、カレンは真下に人がいることに気づいた。
「あれは?」