「赤星…浩也…くん」
「はい!」
握手をかわす手からも、大した力を感じない。
しかし、先程の疑似太陽を発生させたのは、間違いなく…彼である。
(赤星…)
九鬼の頭に、綾子の姿が浮かんだ。
そして、まだ見たことはないが…綾子の兄である。
(赤星浩一)
この世界で、彼の噂を知らない人間はいない。
異世界から来た勇者として、戦い続けた男。
(だけど…彼の名は、赤星浩也)
九鬼から、握手を離した。
まじまじと、目の前で笑顔を浮かべている浩也を見つめてしまった。
言葉が続かない。
沈黙が、2人の間に流れた。
(どうする?)
九鬼が悩んでいると、正門に誰かが飛び込んできた。
「あたしを置いていくな!」
風のような速さで、2人のそばまで来た少女を見て、九鬼は目を丸くした。
「それに!勝手に、発光するな!今は、夜だぞ」
少女は、浩也に詰め寄った。
「ご、ごめんなさい…。おばさん…。邪悪な気を感じたから」
怒られて、項垂れる浩也の襟元を、少女が掴んだ。
「おばさんと言うな!せめて、お姉さんと言え!」
「ご、ごめんなさい…おばさん」
「だからな!」
永遠に終わりそうにない2人のやり取りに、九鬼はため息をつくと、声を発した。
「久しぶりね。カレン」
九鬼の声に、浩也の襟元を絞め上げていた少女がはっとして、顔を向けた。
「真弓?」
おばさんと言われた少女は、カレン・アートウッドだった。
驚くカレンに、九鬼は頷いてみせた。
「この時間まで、学校に?」
「ええ」
カレンは、九鬼の手に乙女ケースが握られているのを見た。服も破けていた。
「相変わらずのようね」
カレンの言葉に、九鬼はまた頷いた。
その様子を、体育館の屋根から見下ろしているアルテミア。
気も魔力も抑えていた。
「これで…役者が揃った」
その呟くと、屋根から消えた。
「はい!」
握手をかわす手からも、大した力を感じない。
しかし、先程の疑似太陽を発生させたのは、間違いなく…彼である。
(赤星…)
九鬼の頭に、綾子の姿が浮かんだ。
そして、まだ見たことはないが…綾子の兄である。
(赤星浩一)
この世界で、彼の噂を知らない人間はいない。
異世界から来た勇者として、戦い続けた男。
(だけど…彼の名は、赤星浩也)
九鬼から、握手を離した。
まじまじと、目の前で笑顔を浮かべている浩也を見つめてしまった。
言葉が続かない。
沈黙が、2人の間に流れた。
(どうする?)
九鬼が悩んでいると、正門に誰かが飛び込んできた。
「あたしを置いていくな!」
風のような速さで、2人のそばまで来た少女を見て、九鬼は目を丸くした。
「それに!勝手に、発光するな!今は、夜だぞ」
少女は、浩也に詰め寄った。
「ご、ごめんなさい…。おばさん…。邪悪な気を感じたから」
怒られて、項垂れる浩也の襟元を、少女が掴んだ。
「おばさんと言うな!せめて、お姉さんと言え!」
「ご、ごめんなさい…おばさん」
「だからな!」
永遠に終わりそうにない2人のやり取りに、九鬼はため息をつくと、声を発した。
「久しぶりね。カレン」
九鬼の声に、浩也の襟元を絞め上げていた少女がはっとして、顔を向けた。
「真弓?」
おばさんと言われた少女は、カレン・アートウッドだった。
驚くカレンに、九鬼は頷いてみせた。
「この時間まで、学校に?」
「ええ」
カレンは、九鬼の手に乙女ケースが握られているのを見た。服も破けていた。
「相変わらずのようね」
カレンの言葉に、九鬼はまた頷いた。
その様子を、体育館の屋根から見下ろしているアルテミア。
気も魔力も抑えていた。
「これで…役者が揃った」
その呟くと、屋根から消えた。