反射的に動いた左手が、ライの拳を受け止めていた。

「なめるな!」

僕がライの拳を握り締めると、ライの表情が変わり、後ろへ下がった。

「やはりな」

ライは笑った。

「は!」

気合いを入れると、今度は僕から殴りかかる。

その拳を、ライが受け止めた。

「フッ」

軽く笑うと、ライは片手で僕を投げた。

しかし、空中で身をよじった僕は、ライの背中に向けて蹴りを放つ。

「!」

だが、蹴りは気のような結界に弾かれた。

「フン!」

ライの指先から、雷撃が放たれた。

「チッ!」

着地と同時に、僕の胸に直撃したが、立ち上がると同時に弾き返した。

攻撃を弾かれたのに、ライは眉一つ動かさずに、ただ…指を下げた。

「バンパイアキラーか…」

僕を見つめ、ライは呟くように言った。

「フゥ〜」

僕は息を吐き、呼吸を整えた。

ライの雷撃を受けても、ダメージを受けていない。

それよりも心が弾んだ。

(この肉体をくれた…アルテミアに。そして、守ってくれたフレアに感謝しょう)

僕は胸に手を当て、自らの肉体にも感謝した。

「フッ。よくぞ、ここまで来た。お前の成長には驚かさせる」

ライの言葉に、僕は彼の目を見つめ、

「1人では無理でしたよ。みんなの支えがあって、僕はここにいる!だからこそ、みんなを滅ぼそうとするあなたを野放しにはできない!」

キリッと睨んだ。

「できるか?お前と我の力は、恐らく互角!しかしな」

ライは笑った。

「!?」

その瞬間、僕は頭上に恐ろしいくらいの魔力を感じた。

「お前は、非情にはなれない!」

「何をした!」

僕の叫びに、ライはただ笑い続けた。

「ははははは!」





「フン!」

城から遠く離れた場所で、ぶつかり合うサラとジャスティン。

気合いを入れたサラの手刀を、ジャスティンは軽く受け止めた。

「何!?」

唖然とするサラに、ジャスティンは言い放った。

「苛立ちか…。お前の体から、いつものような覇気を感じない」

「な、何を!」