すると、2つの回転する物体が、迫ってくる人間もどきを蹴散らしながら、アルテミアのもとに飛んできた。

それを両手で掴むと、胸元でクロスさせた。

「行くぜ!」

ライトニングソードになった瞬間、アルテミアの姿が消えた。

「!?」

人間もどきの目にも、アルテミアの動きはとらえることができなかった。

猛スピードで人間もどきを斬り裂き、島中を駆け抜けるアルテミア。

斬った後、人間もどきの全身を雷鳴が走り、黒焦げにさせた後…灰と化した。

「え」

逃げ惑い、襲われていた人々には、何が起こっているのかわからなかった。

ただ…自分達を襲っていた人間もどきが、真っ二つになった後、灰になったのがわかっただけだ。

「アルテミア!」

僕は、人間もどきの動きが変わったことに気付いた。

どうやら…数が減ったら、増やすようにできているようだった。

視界の角に、見たくもない交わりが目に入った。

「ライトニングウェーブ!」

アルテミアがライトニングソードを横凪ぎに払うと、電気の刃が放たれ、繋がっている人間もどき達を斬り裂いた。

しかし、産まれる速度が異常だった。

母親が真っ二つになったのに、赤ん坊が産み落とされたのだ。

地面に落ちた瞬間、アルテミアは赤ん坊にライトニングソードを突き刺した。

「あまり…気分はよくないが…」

アルテミアは顔をそらしたくなったが、そらせなかった。

突き刺すという行為が、アルテミアの動きを止めた。

その瞬間、串刺しになっている赤ん坊が、アルテミアをギロリと見た。

「!?」

アルテミアは、目を見開いた。

「こ、こいつは…」

突き刺されながら、赤ん坊は膨張するように大きくなり、アルテミアそっくりになろうとしたが…その瞬間、雷鳴が走り、灰になった。

その間…アルテミアにはあまりにも長く感じたが、ほんの数秒だった。

「こ、こいつらは!」

アルテミアは動揺しながらも、次のターゲットに向かった。

「いてはいけない!」

アルテミアは初めて…その存在自体を抹殺しなければならないと感じていた。

それは…僕も同じだった。