「オホホホ!」

どこかぎこちない笑い声を発しながら、笑う女。

「…」

その横で、無言の男。

「あたし達の子供は、増え続けている!そして、その子供達も!」

彼女らこそが、人間もどきを産んだ2人だった。

近親相姦を繰り返してもまったく問題のない彼らは、次々に人間を食らい…そして、子供を造った。

その数は一瞬で、万近くになっていた。

「もう少し増えたら、もっと大きなところで、みんなで住みましょう!そうね〜。あの島国がいいかも!」

全裸でなのに、どこからか取り出した地図を見ながら、女が興味を持ったのは、日本地区だった。

「まだまだ増えていくわ!」

うっとりと地図を眺めていた女に、今まで無言だった男が口を開いた。

「…多くの子供達が死んでいる…」

「うん?」

男の言葉に首を傾げた女は、目だけを上に向けて…考え込んだ。 数秒後、男を睨んだ。

「か、数が減っているわ!どうして、言ってくれなかったのよ!」

ヒステリックに女がなっても、男は表情を変えない。

「…」

答えることもない。

「ほんと!男って無頓着で、無能よねえ!」

女は地図を丸めると、下に捨てた。

「いくわよ!」

そして、男をギロッと睨んだ。

「…」

男は無言になり、大人しく女の後に続いた。




「何なんだ!?」

僕は、唖然としていた。

「チッ」

次の島の上空に到達したアルテミアは、舌打ちした。

先程のリゾート島より三倍の広さがある為か…まだ、普通の人間は生き残りながら、武器を持ち、応戦していた。

「この状況では、女神の一撃で殲滅できないだろ!」

普通の人間が生きているのを邪魔そうに言うアルテミアに、僕は呆れた。だけど、そんな場合でもない。

「アルテミア!人々を助けるよ!」

「わかっている!」

アルテミアは、人間もどきから逃げ回る人々の間に着地した。

「モード・チェンジ!」

アルテミアの姿が変わる。黒いスーツ姿の…別名、黒い閃光。

フラッシュモードだ。