「何だと!?」

唖然としている九鬼に、

「ハハハハ!」

笑いが止まらない刹那。


その戦いを観察していたアルテミアは…腕を組みながら、鼻を鳴らした。

「フン。やはり…あいつか」

アルテミアは、刹那を見つめ、

「厄介な相手ではあるが…」

その後、九鬼に視線を変えた。

戸惑っている九鬼に、目を細め、

「あいつの力は、全盛期の半分以下…。しかし、あの触れない体を何とかしなければ…勝ち目はない」

そこまで言ってから、アルテミアは口許を緩めた。

「しかし…」


アルテミアの視線の下で、再び光のリングを放つ九鬼の姿が映る。

「あいつは、自らの弱点をさらしてしまった」

リングはまた…口の中に吸い込まれた。


「それに…気づくか?他が為の戦士よ」



「チッ!」

アルテミアの言葉も虚しく…リングでの攻撃をやめた九鬼は、すべてを吸い込む口を避ける為に、刹那の後ろに回り込み、足を払おうとしたが、再びすり抜けた。

「無駄だと言っている」

今度は、振り向きざまの刹那の回し蹴りが、九鬼の顔面を強打した。

「きゃああ!」

悲鳴を上げた九鬼の体が、宙を飛び、地面を転がった。

蹴られた時に、眼鏡が外れた為に、変身が解けていた。

何とか転がるの止めた九鬼が、立ち上がろうとしたが、力が入らずに、崩れ落ちた。


「く、くそ!」

片膝を付き、倒れることは防いだ。

「ど、どうしてだ!」

結構なダメージを受けても、まだ刹那から目を離さなかった。

「ほお〜」

感心したような声を上げると、刹那は少し近付き、九鬼を見下ろした。

「さすが…闇の女神デスパラード。体は、頑丈そうね」

そんな刹那を、下から睨み付けると、九鬼はきいた。

「お前は、閨さんではないな!お前は、一体!なに」
「我が名は、アマテラス」

九鬼の言葉の途中で、刹那はこたえた。

いや、もう…刹那ではない。

「お前と同じ…闇の女神だ」

アマテラスはにやりと笑った。