「リンネ…」
リンネに突き刺さっている青竜刀が、彼女の熱を受けて真っ赤になっていく。カイオウの握る手から、肉が焼ける音がしたが、青竜刀を離すことはしない。
「あたしは、あんたやギラ、サラのそういうところが気にいらないのよ!裏切り者を未だに!アルテミア様と呼ぶところがね!」
リンネの体温が一気に上がる。
「フッ」
そんなリンネとは違い、冷静になったカイオウが笑うと、青竜刀の半分までが元に戻った。
水と冷気を操る魔神と炎の魔神。2人の魔神の力は、対等かと思われたが、リンネの体が炎のそのものになると、一瞬でカイオウの全身は炎に包まれた。
「馬鹿目!あたしは、進化している!あんたのような旧世代の魔神が、あたしに勝てるか!」
リンネがにやりと笑った瞬間、
「そうかな?」
カイオウは狼狽えることなく、青竜刀を一振りした。
次の瞬間、一瞬で炎は消えた。
「え」
絶句するリンネの前に、右手で青竜刀を振り落とし、左手で拝んでいるカイオウがいた。
カイオウは青竜刀を一回転させて、背中につけた鞘にしまうと、拝みながらリンネに背を向けた。
「かつて…ある方が、我に教えてくれた。レベルの差で、勝利が決まる訳ではないとな」
カイオウはそう言うと、向日葵畑から姿を消した。
「な…」
小さく呟くように言うと、リンネは膝から崩れ落ちた。
カイオウの一撃は、リンネの弱点であるコアをかすっていたのだ。
本気ならば、一刀両断で切り裂くことも可能だったはずだ。
全身の炎も消えて、全裸の肉体を晒しながら、リンネは向日葵畑の中に沈んでいった。
その様子を、城のテラスから見ているものがいた。
天空の騎士団長サラである。
「…」
サラは無言で、風に靡く向日葵を見つめながら、テラスを後にした。
そして、廊下に出ると、壁にもたれた腕を組んだギラがいた。
そんなギラの横を、サラは通り過ぎた。
ギラは目だけで、サラの動きを追いながら、少し距離が離れてから、口を開いた。
「俺は…アルテミア様こそが、正統な後継者だと…今も思っている」
リンネに突き刺さっている青竜刀が、彼女の熱を受けて真っ赤になっていく。カイオウの握る手から、肉が焼ける音がしたが、青竜刀を離すことはしない。
「あたしは、あんたやギラ、サラのそういうところが気にいらないのよ!裏切り者を未だに!アルテミア様と呼ぶところがね!」
リンネの体温が一気に上がる。
「フッ」
そんなリンネとは違い、冷静になったカイオウが笑うと、青竜刀の半分までが元に戻った。
水と冷気を操る魔神と炎の魔神。2人の魔神の力は、対等かと思われたが、リンネの体が炎のそのものになると、一瞬でカイオウの全身は炎に包まれた。
「馬鹿目!あたしは、進化している!あんたのような旧世代の魔神が、あたしに勝てるか!」
リンネがにやりと笑った瞬間、
「そうかな?」
カイオウは狼狽えることなく、青竜刀を一振りした。
次の瞬間、一瞬で炎は消えた。
「え」
絶句するリンネの前に、右手で青竜刀を振り落とし、左手で拝んでいるカイオウがいた。
カイオウは青竜刀を一回転させて、背中につけた鞘にしまうと、拝みながらリンネに背を向けた。
「かつて…ある方が、我に教えてくれた。レベルの差で、勝利が決まる訳ではないとな」
カイオウはそう言うと、向日葵畑から姿を消した。
「な…」
小さく呟くように言うと、リンネは膝から崩れ落ちた。
カイオウの一撃は、リンネの弱点であるコアをかすっていたのだ。
本気ならば、一刀両断で切り裂くことも可能だったはずだ。
全身の炎も消えて、全裸の肉体を晒しながら、リンネは向日葵畑の中に沈んでいった。
その様子を、城のテラスから見ているものがいた。
天空の騎士団長サラである。
「…」
サラは無言で、風に靡く向日葵を見つめながら、テラスを後にした。
そして、廊下に出ると、壁にもたれた腕を組んだギラがいた。
そんなギラの横を、サラは通り過ぎた。
ギラは目だけで、サラの動きを追いながら、少し距離が離れてから、口を開いた。
「俺は…アルテミア様こそが、正統な後継者だと…今も思っている」