世界は、広い。

つくづくそう思う。

世界中を飛び回りながら、人々を助ける為に戦う僕とアルテミア。

今は、炎の中にいた。

逃げれないものを、炎は平等に焼き尽くしていく。

そこに差別はない。

そんな炎の中で立つ僕に、魔物の一匹が言った。

「お前のやっていることは、偽善だ!人間を襲うから、我々を殺すのか?しかし、人間が何かを殺さないというのか?いや、人間だけではない!すべての生き物が何を殺し、摂取して生きている!そこに罪があるのか?だとしたら、すべての生き物に生きる価値はない」

そう告げる魔物の言葉に、僕は答えない。

「それにだ!お前が人間ならば、お前の行動を少しは認めよう!しかし、お前は人間ではない!そうだろ?赤の王!」

すべてを焼き尽くしていく炎の形が、変わっていく。

「お前は、人間ではないのだ!」

そう叫んだ魔物の体からも、炎が噴射され、新たな魔物が生まれた。

炎の騎士団。

いつのまにか、無数の炎の魔物が僕を囲んでいた。

「赤星…」

アルテミアの声に、僕は頷いた。

「心配するな。僕に迷いはない」

囲む炎の魔物達を見つめることなく、僕はゆっくりと拳を握り締めた。すると、両手に鉤爪が装着された。

「人間を守る。そこに矛盾があったとしても、何も迷わないよ」

僕は無理矢理、微笑んだ。その笑みを見て、炎の魔物達が凍りつく。

「僕は、赤星浩一。人間から産まれ…ブルーワールドで、覚醒した…」

僕の瞳が、赤に染まる。

「戦士だ!」

戦いは、続く。永遠だろうか…。

いや、永遠はない。

ちっぽけな僕に、永遠なんてこない。

だけど、どこまでも行こう。

アルテミアとともに、いるならば…。

ファイヤクロウによって、炎の魔物達は切り裂かれていく。

回転すると、渦巻きが発生した。

舞い上がる魔物達。

「赤星!」

ピアスの中から、アルテミアが叫んだ。

「モード・チェンジ!」

空高く舞い上がった渦の先から、アルテミアが白い翼を広げて出現した。

「うりゃあああ!」

アルテミアの手に、ライトニングソードが握りられて、魔物達を斬り裂いた。