高坂の叫びに、麗華は足を止め、
「…後輩に手を出すのは、やっぱり…気が引けるわね」
にやりと笑った。鉄仮面越しでも、その表情はわかった。
「後輩だと!?」
高坂の全身が震えた。
「…」
その様子をしばらく見つめた後、
「御機嫌よう」
麗華は部室から消えた。
「くそ!」
ダイヤモンドの乙女ケースを取り出すと、部室から飛び出そうとする高坂を、椅子に縛られた舞の声が止めた。
「ぶ、部長〜」
舞の蚊の鳴いたような声に、高坂は乙女ケースを握り締めると、内ポケットにしまった。
「大丈夫か?舞」
出入口に背を向けると、パソコンの前まで走った。
「部長…」
膝を曲げて身を低くくして、紐を解いていく高坂の後頭部を見つめながら、呟くように言ってから、しばらく舞は口をつむんだ。
そして、紐が解ける寸前に、やっと口を開いた。
「部長…。今の女…恐らく、情報倶楽部の先輩です。それも、森田部長と同期の…」
その言葉に、高坂は鼻で笑った。
「何を言っている。部長になってから、あの人はたった1人で情報倶楽部を守って来たんだ。俺が入るまではな」
「そうでしょうか?」
自由になった舞は、椅子から立ち上がることなく…しばらく高坂を見つめた。そして、ぎゅっと両手を握り締めると、椅子を回転させた。
「舞?」
「…」
無言でキーボードに指を走らせて、あるデータを引き出す。
それは…。
「部長…」
舞はもう一度、椅子を回転させると、高坂の前で止まった。
「見てください。二年前の…情報倶楽部の報告書です」
「え…」
画面を覗き込んだ高坂は、目を見開いた。
「…王の盾に関する報告書?」
「はい」
舞は頷いた。
「何だ?これは…」
高坂は、画面に映る文字に目を走らせた。
「これは…情報倶楽部の正式をファイルには、入っていませんでした。旧型のディスクに、記録され…処分対象になっていましたが…あたしが、復元させました」
「…後輩に手を出すのは、やっぱり…気が引けるわね」
にやりと笑った。鉄仮面越しでも、その表情はわかった。
「後輩だと!?」
高坂の全身が震えた。
「…」
その様子をしばらく見つめた後、
「御機嫌よう」
麗華は部室から消えた。
「くそ!」
ダイヤモンドの乙女ケースを取り出すと、部室から飛び出そうとする高坂を、椅子に縛られた舞の声が止めた。
「ぶ、部長〜」
舞の蚊の鳴いたような声に、高坂は乙女ケースを握り締めると、内ポケットにしまった。
「大丈夫か?舞」
出入口に背を向けると、パソコンの前まで走った。
「部長…」
膝を曲げて身を低くくして、紐を解いていく高坂の後頭部を見つめながら、呟くように言ってから、しばらく舞は口をつむんだ。
そして、紐が解ける寸前に、やっと口を開いた。
「部長…。今の女…恐らく、情報倶楽部の先輩です。それも、森田部長と同期の…」
その言葉に、高坂は鼻で笑った。
「何を言っている。部長になってから、あの人はたった1人で情報倶楽部を守って来たんだ。俺が入るまではな」
「そうでしょうか?」
自由になった舞は、椅子から立ち上がることなく…しばらく高坂を見つめた。そして、ぎゅっと両手を握り締めると、椅子を回転させた。
「舞?」
「…」
無言でキーボードに指を走らせて、あるデータを引き出す。
それは…。
「部長…」
舞はもう一度、椅子を回転させると、高坂の前で止まった。
「見てください。二年前の…情報倶楽部の報告書です」
「え…」
画面を覗き込んだ高坂は、目を見開いた。
「…王の盾に関する報告書?」
「はい」
舞は頷いた。
「何だ?これは…」
高坂は、画面に映る文字に目を走らせた。
「これは…情報倶楽部の正式をファイルには、入っていませんでした。旧型のディスクに、記録され…処分対象になっていましたが…あたしが、復元させました」