だけど,アレはあたしの思い過ごしなんかじゃなかったんだ…


お母さんが高校の同窓会に出席するため,泊まりがけで家を1日留守にすることになった日。


紫藤はお母さんには「譲吏のことは任せて,楽しんできなさい」と言ったクセに,深夜になっても帰って来なかった。


仕事が長引いているのだろうか?


帰ってくるまで起きておこうと思ったが,前日までテスト期間であまり寝ていなかったため,あたしはすぐに眠りについてしまった。

そして翌朝


眠たい目をこすりながら,リビングに向かうと


「え……」


あたしは一瞬にして固まった。


リビングのソファには上半身裸の紫藤と,この前の女が抱き合って眠っていたのだ。


なにこれ…


吐き気がする


(最低最低最低!!)


あたしはその光景を見ていられなくて,すぐに着替えて家を飛び出した。