そして夜


「はぁー…」


9時になっても諒は帰ってこなかった。


バイトって何時までなんだろ?


今まで何度か諒の帰りが遅くなる日はあったが,やっぱり諒がいない夜は慣れない。


「…せっかく唐揚げ作ったのにぃ…」


台所にはラップに包まれた唐揚げの皿がポツンと置いてある。


(早く帰って来ないと諒の唐揚げ,食べちゃうからね!)


完全にひねくれモードのあたしはゴロンと仰向けになり,ボーッと天井を見つめた。


(バイト…大変なのかな…?)


まぁ,諒は要領がいいからきっと問題ないと思うけど。


でも


毎日,こんな生活が続いたら嫌だな。



って!


なに甘ったれたこと言ってんだろ!?


あたしだってもう14


一人でも全然平気だもん



寂しくなんか…ない…